いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。予備校講師ハトです。ブログにどんな記事を書くか考えていた時、かつて父が僕に勧めてくれた本を思い出しました。
「国家の品格(著:藤原正彦)」という本です。簡単に内容を説明すると、日本古来の文化や教育法が軽視されていることへの嘆き、行き過ぎた欧米化へを警鐘するものです。
この本を読んだのは、確か僕が高校生の頃でした。今振り返ってみると、数学の授業中にも「国語力」が大事だと生徒に力説する自分の価値観の根底を作ったのがこの本だったように思えます。
確かに生徒の知的水準の傾向は下がっている面は否めません
特に文系担当の先生がこれについては嘆いています。一例として「おべっかを使う」という言葉の意味が分からない、もっといえば聞いたことがないという生徒がかなり多かったと聞いています。しかも、それが仮にも進学校の高校生というところに深刻さを感じざるを得ません。
とはいえ、地頭が昔と比較して衰えているとは思いません。やはり、藤原正彦氏のおっしゃる通りに『アメリカ化』の影響が否めないような気がするのです。というのも、僕が高校生くらい、あるいはその前からでしょうか、日本が英語教育に力を入れようとしているのは明白でした。それ自体はグローバル化を考えると否定できるものではありません。
ですが「英語はあくまで手段」ということに気付いている人が案外少ないような気がするのです。
兵隊は何も考えずに動けることが重要視されるのですが…
少し陰謀論のような気もしますが、現在の「国際化」を謳っている教育の目的は、欧米が日本人から思考能力を奪って彼らにとって都合の良いロボットにすることのように感じてしまうことがあるのです。それであれば本来重要な「国語力」の水準は低下するでしょうし、実はそれこそが目的だとしたら…考え過ぎであることを祈りたいです。
ただ、確かなのは、あまりに「生き抜く力」が備わっていない生徒が増えているという事実です。この問題は由々しきものであると強く感じていますが、どうやって解決していくか…頭の痛い問題です。何せ、こういった能力は本来は幼少期から養っていくべきものですから…
そういえば、大学時代の同級生でもやたら「グローバル化」とか「若いうちから活躍」と言って横文字ばかり使うタイプがいました。今思えば、彼らは「グローバル化」という言葉を盲信していたようにも思えます。「魔法の言葉」を使えば自分自身が優秀になれる…一種の麻薬に彼らは依存していたのかもしれません。
いずれにしても、教育する側にも大きな問題があったことは確かです。何が正解かは分かりませんが「真の教育」を突き詰めていく必要があるのではないでしょうか。まだまだ書きたいことはありますが、文が冗長になってきましたので一度筆を置きたいと思います。それでは今回もご覧いただきありがとうございました。
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