いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。予備校講師ハトです。1月13日㈯~1月14日㈰で共通テストが行われました。1月17日㈬には平均点の中間発表もリリースされました。
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これによれば数学ⅠAの平均点は54.35点です。一昨年の過去最低平均点(37.96点)と比較すれば、大分難易度も調整されてきているようにも思えます。ただ、やはりセンター試験と比較して『思考力』が問われているとも感じます。今回は、実際に僕が数学ⅠAを解いてみた感想を書きたいと思います。
大問1
大問1は「数と式」「三角比」から出題されました。このうち「数と式」は整数部分と小数部分の問題で誘導に従っていけば解けるレベルです。問題は三角比の後半でした。前半は基本的な難易度でしたが、後半(テ~二)に関しては、誘導も少なく答えの形からアプローチが予想しにくいものでした。答えの形式に惑わされず、シンプルに坂の部分の長さを求める…そういうやり方の方が良いのかもしれません。いずれにせよ、ここで時間を使い過ぎなかったかどうかが一つのポイントのように思えます。
大問2
大問2は「二次関数」「データの分析」から出題されました。まず、二次関数ですが、高校入試で御馴染みの動点問題でした。これはxの範囲と辺の長さの表し方さえ間違えなければ解きやすい比較的簡単な問題でした。データの分析についても、基本知識さえあれば問題ないレベルです。途中、見慣れない式があったと思いますが、これも意味を少し考えれば簡単でした。総じて大問2は『問題をしっかりと読んで理解する』ことを軽視しなければ簡単といえたのではないでしょうか。
大問3
大問3は「場合の数と確率」から出題されました。今回の共通テスト数学ⅠAの中で、最も誘導に従って解けるか、前半の設問の考え方を上手く全体に適用できるかが求められていた印象です。問題自体は「箱から異なる文字のカードを取り出す」ものであり、確率をしっかりと根本から理解している人にとっては解きやすい問題ともいえます。注意点としては「初めてA,B,C,Dが揃う」際に「最後に出る文字はA,B,C,Dのいずれか」という視点を忘れてしまいがち…といったところでしょうか。
大問4
大問4は「整数の性質」から出題されました。今回、この大問4が最も『思考力』が求められたものだったと思います。問題は「n進法表記のタイマー」が題材となっています。前半はn進法の基本知識で問題ありません。ただ、後半は「リセットされる実際の秒数(10進法表記)」と「n進法表記のタイマー」を一次不定方程式で結びつけることが出来るかがポイントですが、誘導が非常に少なくここで躓いた人も多いのではないでしょうか。出てくる式がそこまで難しくないだけに立式できるかがポイントです。
ちなみに、大問4の最後の問題ですが実は式を全て解かなくとも答えが分かる、ということに気付きましたか??軽く整理することで「矛盾点」が出てくることが分かるかどうか、です。
大問5
大問5は「図形の性質」から出題されました。個人的には、今回はこの大問5が最も簡単に思えました。シンプルに「メネラウスの定理」「方べきの定理」を駆使すれば完答できるレベルに感じました。ただ、図形はわりかし敬遠する人も多く、そういった人にとっては悔しいものだったかもしれません。
全体の感想
シンプルに「量が多すぎ」です(笑)また、一昨年や昨年と比較すると、かつてのセンター試験のような問題が増えたようにも思えます。しかしながら、やはり『思考力』『読解力』が求められている問題も多く、純粋に数学の能力が求められているかというと疑問符が付きます。やはり「共通テストの問題対策」をしているか、そうでないかで点数に開きが生まれるようにも感じます。
いずれにせよ、まだまだ改良の余地があるテストには違いありません。来年以降、受験生にとって良い方向の問題になるよう願わざるを得ません。
というわけで共通テスト数学ⅠAの感想を書いてみました。数学ⅡBも解き次第感想を纏めてみようと思います。それでは今回もご覧いただきありがとうございました。
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